「果物をお彼岸の期間中ずっと供えておきたいのですが…」というお問い合わせをいただいた時の答えは…

明日からお彼岸が始まります。もう、御供物のご準備はお済みですか?

さて、実はこの時期によくいただくお問い合わせに

果物をお彼岸の期間中ずっと供えておきたいんだけど、持ちます?

というのがあります。

気持ちはよく分かります。分かるのですが…
これはなかなか答えづらい質問なんですよね(少なくとも自分にとっては)。

なぜか。
それはいくつか理由があるのですが、その一つに
お客様が感覚として持っている「果物が持っている」という状態が、傷んでいない状態のことなのかそれとも美味しく食べられるギリギリのタイミングのことなのかがはっきりしない
ということがあげられます。
例えばお供えしていたりんごが日が経ってふかふかになってしまい、食べても全く美味しくない状態になってしまっていても、傷んでいなければそれは「持っている」といえるのか、ということですね。やはり御供物であっても最終的には生き仏様(お供えした方々ですね)に美味しく食べていただくことが亡くなった方へのご供養になると私どもは思っておりますので、そのあたりの判断がなかなか難しいところです。

そしてもう一つ。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉が昔からあるように、春のお彼岸に入るころから急に気温が上がり出しますので、ラッピングされた果物の足が早まってしまうんですよね。特にお供えされる場所の環境がどんな状態かによって日持ちはかわってきます。実はこれが結構大きな要因となっていて、ちょっと前まで寒かったりしているとその感覚のままお彼岸の御供物を飾り続けてしまうので、ラッピングをほどいたときに傷んだ果物を見つけてがっかりされることがままあるわけです。

「果物は日持ちするもの」という感覚をお持ちの方ももしかしたら多いと思いますが、果物も「生もの」ですので、暖かいところに長時間置かれると傷み出しが始まりやすくなります。もちろん御供物ですので日持ちを考慮して果物の選定をしておりますが、特に「糖度が高い(甘みが強い)」ものは傷み出しが早い傾向があるので気を付けた方が良いですね。

そんなわけで、果物の日持ちの明確な日数はとても答えにくいのです。そのため、冒頭のお問い合わせをいただいた際には

「(日光の入り具合にもよりますが)ラッピングされた状態では2~3日、その後はラッピングを外しお盆に移し替えるなどして風(空気)を通していただき、食べ頃の物から順次下げてお召し上がり下さい

とお答えさせていただいております。
曖昧な答え方で申し訳ないですが、生ものですのでこれ以上のことはなかなかお伝えすることが出来ません。
ご理解いただけますと幸いです。

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